「遺伝子組換えではないという表示が消滅する」
「遺伝子組換えではないという表示が消滅する」
「遺伝子組換えではない」という表示を見つける事がある。納豆や豆腐に多い。
これは任意表示といって、記載義務はないが、企業は「遺伝子組換えではない」と書かないと遺伝子組換え食品と思われてしまうので、豆腐や納豆には表示している。
この表示基準は遺伝子組換え作物の混入が5%以下であり、分別生産流通管理(IPハンドリング)の証明書がある場合だ。
分別生産流通管理とは、遺伝子組換え作物とそうではないものとを、明確に分離して、栽培や流通、管理しているという事である。
さて、国産の大豆やトウモロコシならば、基本、遺伝子組換え作物が混ざる事はない。なぜなら、国内では栽培されていないからである。
そのため、国産の大豆やトウモロコシならば、「遺伝子組換えではない」と記載されてきたのが現状である。米国産であっても、もちろん管理されていれば、そう記載されていた。
これを消費者庁、つまり政府は、混入率が0%でなければ「遺伝子組換えではない」と書けないように改正をするという。
ある意味厳密になったわけだ。良い事ではないかと一瞬思うが、現実はどうなるかといえば、「遺伝子組換えではない」という表示がなくなる事になる。
何故かと言えば、現実問題、混入率0%は、企業にとっては不可能な数字だからだ。
他国からの輸入を受け入れている商社の倉庫やトラック、加工企業の加工機器に、遺伝子組換え作物が混入する可能性は排除できない。
うっかり混入してしまった商品を、「遺伝子組換えではない」と記載して販売したら、企業は名指しで批判され、大問題になるだろう。
つまり、「遺伝子組換えではない」という表示が難しくなる。現状を踏まえて考えてみると、表示が消えるという事になるわけだ。政府は、意図的に消すつもりなのかもしれない。
この事について、0%より多く〜5%以下の混入に関して、別の表示を設けるべきだという意見も出してはいる。空白地帯になるからだ。
既に遺伝子組換え食品かどうかなど、全く分からないというのが現状なのだから、大した問題ではないと考える向きもあるのだが。
とはいえ、やはり、知識をつけておくというのが、一番の自衛方法なのは間違いない。
ではどうするか。
自分で大豆を育ててみる。その大豆で、味噌、醤油、豆腐、納豆を作る。事実上、「遺伝子組換えでない」という表示は味噌や豆腐、納豆ぐらいにしかないから、それで事足りる。
あと、お菓子に記載されていたりするが、そもそもお菓子は「遺伝子組換えではない」と書いてあっても、添加物として十分に使用されているので、食べなきゃそれで良い。