bibourokurokuの日記

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ヘム鉄と非ヘム鉄

ヘム鉄と非ヘム鉄どちらも大切 (保存版)

鉄に関するよくある誤解、それはヘム鉄=動物性、非ヘム鉄=植物性というイメージを持たれている方が多いこと。しかし、これは少し違います。

今日はもう一度、ヘム鉄と非ヘム鉄についておさらいしましょう。台所を担う主婦のみなさんも、医療関係者も、栄養指導者も、鉄不足に悩んでいる方もみなさん、ぜひ読んでみてください。
 

鉄はまず有機鉄と無機鉄に分かれます。そして有機鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分かれるのです。
 

・ヘム鉄の生体吸収率 約10~25%
・非ヘム鉄の生体吸収率 約2~5%
 

小腸にはこのヘム鉄を吸収するためのヘム受容体が存在しているため、ヘム鉄の吸収効率は非ヘム鉄の5~10倍と言われています。非ヘム鉄では吸収される際に3価から2価への鉄となり、この2価のむき出しの鉄が胃腸障害やむかつきの原因となることもあります。
 

普段の食生活はヘム鉄を意識すると鉄の維持に期待できます。(しかし、動物性タンパク質の「摂り方」や「摂り過ぎ」にはくれぐれも注意が必要です。また、ヘム鉄の過剰摂取は結腸直腸癌の危険因子です。)
 

しかし、「鉄欠乏」時には、非ヘム鉄の方が吸収率は上がります。鉄欠乏時には、鉄の吸収率はヘム鉄・非ヘム鉄とも上昇しますが、特に非ヘム鉄の方が顕著にあらわれます。(※Turnbull A,1962; Hallberg L,1967;Callender ST, 1957;Bannerman RM,1965;Conrad ME,1966;Raffin SB,1974;Bjorn-Rasmussen E,1983)

鉄欠乏性貧血でも重度の場合、非ヘム鉄の吸収の割合が約50%まで上がるといわれています。

※鉄欠乏時には、Dcytbという還元酵素や、DMT1というトランスポーターなどの非ヘム鉄における吸収要素の合成能が圧倒的に高くなるからです。

よって、鉄欠乏性の人への栄養アプローチは必ず非ヘム鉄食品の推奨をしていく必要があります。実際に、鉄欠乏時はヘム鉄サプリよりキレートされた非ヘム鉄サプリの方が効果が高いことが多いのです。

そういう意味においても、やはりヘム鉄も非ヘム鉄もどちらも重要なのです。
 

では、ここでヘム鉄および非ヘム鉄の食品をまとめます。
 

・動物のお肉に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄どちらも含まれています。

・一般に、お肉に含まれるヘム鉄は全体の40〜45%しか含まれていません。そして非ヘム鉄は55〜60%もあります。よって非ヘム鉄食品の代表とは本来お肉なのです。

・卵と乳製品に含まれる鉄は、非ヘム鉄の方です。

・貝類に含まれる鉄の約90%以上は、非ヘム鉄です。(Michael A.Dunn,2017)

・植物性食品の鉄は、非ヘム鉄と無機鉄になります。
 

※注意するべきはヘモクロマトーシス(鉄過剰症)の人です。日本人では珍しい症状ですが、今後こういうタイプの方が出てくるかもしれません。まず、ヘモクロマトーシスの人はではヘム鉄しか吸収できません。さらに、怖いのは、通常ヘム鉄の吸収率は約10~25%ですが、ヘモクロマトーシスになると、ヘム鉄の吸収が最大4倍になり、ヘム鉄の80〜100%を吸収するようになることです。なお、鉄の過剰症の背景には、マグネシウム欠乏やタウリン欠乏ということもあります。またアルコールをよく飲む人も注意です。
 

鉄は基本的に十二指腸(または空腸上部)しか吸収できない機構になっています。非常に吸収の難しい金属です(身体はわざとそうしています)。また、胃腸環境やピロリ菌有無などによって吸収率が大きく異なり、さらに活性酸素を多く発生する体質の人にとって鉄の毒性を助長します。
 

鉄の吸収はタンパク質の摂取量にも依存します。タンパク質が不足していたり、銅が極端に不足していたりすると、鉄は組織に運ばれないようになっています。実際に、鉄の吸収や溶解はタンパク質の存在によって著しく増加することが示唆された報告は多々あります(Conrad ME,1966;Hallberg L,1979;Bjorn-Rasmussen E,1974;Vaghefi N, 2002)。
 

鉄の吸収は体温にも大きく依存します。ヘム鉄の取り込みは体温に依存しており、体温37℃時に細胞がエンドサイトーシス(細胞が細胞外の物質を細胞膜取り込む作用)によって積極的に取り込むことがわかっています。
(※最近ではこのエンドサイトーシス経路とは別に、PCFT/HCP1という輸送体によってもヘムを取り込むことが報告されているが、この輸送体による吸収率もやはり温度依存性であることがわかっている(World J Gastroenterol. 2008 Jul 14; 14(26): 4101-4110) 。ちなみにこのPCFT/HCP1は、「葉酸」の輸送体でもある。)
 

非ヘム鉄の取り込みは、三価鉄(Ⅲ)の場合、アスコルビン酸(ビタミンC)の還元作用に依存しますが、これも温度依存性です(J Nutr.1995 May;125(5):1291-9)。実は、ミネラル取り込みの温度依存は動物に限らず、植物も同じで土壌の温度に依存します。
 

牛由来の乳製品を多く摂取すると、鉄の吸収を阻害しますので注意してください。乳カルシウムそしてカゼインが鉄吸収を阻害します。
 

鉄は栄養素でもあり、状況によっては毒にもなる金属です。上手に摂取していくことが肝心です。